tender spring
「…いや、へんな意味で目立つっつーか…」
一般公開の文化祭に俺を知ってるやつが1人も来ない、なんてことはないだろう。
「やっぱり…」
「え?」
「由奈、この人龍泉の!」
思った矢先、この子俺のこと知ってるじゃん。
「龍泉?龍泉の何?」
「龍泉の城戸春斗くんだよ!」
「そうなの?」
「あ…うん。」
どう思っただろう。
俺が龍泉の人間だって知って、何て思った?
「そっか、まぁ別にいいけど。書道パフォーマンス見に来てくれないの?」
「…こっそり見に行くよ。」
この子のお願いはなぜか断れない。
「約束ね!そのあとミルクティー奢ってもらうんだから!」