tender spring
「うん、分かった。」
葉太さんと行こうか、なんて思ったけど、きっとあの人は俺よりも目立つ。
それに、色々からかわれそうだからやめとく。
「待ってるよ?」
「うん、絶対行く。」
目立たないように行けばいいか。
文化祭が終わったあとは、落ち着いたカフェにでも行こう。
そうすればきっと、この子のことをもっと知れるはずだから。
「行こっか、由奈。」
「うん!」
笑顔で頷いた彼女は俺に背を向けたかと思えば、再びクルンと振り返って言った。
「またね、ハル!」
由奈になら"ハル"って呼ばれるのも悪くないかな、なんて思ったんだ。
ーENDー