tender spring
それが間違いだったのか。
偶然、居合わせてしまった。
「春斗?」
「あっ、春斗!」
俺の尊敬する龍泉のトップと、その人の隣で笑う俺の好きな人。
「希龍さん、美波さん…」
ニコニコ笑う美波さんは、俺の隣にいる由奈を見て希龍さんの服の袖を引っ張った。
「お邪魔しちゃった?」
「いえ、大丈夫です。」
不安気な美波さん。
「春斗、葉太が話あるって。時間あるときに電話しろって言ってたよ。」
そんな美波さんを見かねてか、希龍さんがフォローするように言う。
「…分かりました。」