tender spring
「そうっすね。今日から夏休みだから、毎日来るんでしょ?」
「あたしが来なきゃ春斗暇でしょ?」
「何すかそれ、俺も忙しいんですよ。」
「あー、じゃあもう来ない。」
頬を膨らましてソファに座った美波さんが可愛くて、思わず笑ってしまった。
嘘ですよ。
ほんとは毎日でも来てほしい。
「嘘です、美波さんが来なきゃ俺暇なんですよ。だから、毎日来てください。」
「ふふっ、最初から素直になればいいのにー」
どうしてこうも、嬉しそうに笑うんだろう。
自覚なしにこういうことをするからたちが悪い。今でも不意にドキドキしてしまう。
「希龍さんとデートだったんですか?」
「あ、はは…うん、まぁ。」