tender spring
「でもね、希龍くんは水色が一番可愛いって言うんだよ。ブサイクなのに。」
「あはは、これ可愛いですかね?」
葉太さんはピンクのうさぎを見たとき、爆笑しながら"可愛くねぇ!"なんて言った。
その辺希龍さんはずれてるって言うか、やっぱり他の人とは感覚が違う。
「長く使ってれば愛着わいてくるでしょ?」
「そうなんですよね、こいつも可愛く見えてきちゃってますもん。」
ピンクのうさぎを指差す。
色褪せてしまったけど、外そうと思ったことは一度もなかった。
それが美波さんに貰ったものだからなのか、愛着がわいてしまったからなのかは、俺にもよく分からない。
「これも付ける?」
「もちろん、付けますよ!」