猫の赤ちゃん
三毛猫のミケは、大きな欠伸をします。
最近ちょっと寝不足なのです。
それには理由があります。

「ふにゃ~」

思わず声も出ちゃいます。

「ミケ、静かにしていてね。」

お母さんがちょっと疲れた笑顔で言います。
そうです。
寝不足なのは、お母さんも一緒です。
最近ミケのおうちには、新しい命がやってきました。
まだまだ小さい、赤ちゃんです。
まだ一人で立ち上がることもできず、歩くこともできません。
今はお母さんのおっぱいを飲み、おなかがいっぱいでスヤスヤ眠っています。

お母さんは赤ちゃんを布団に寝かせると、洗濯物をしまいにベランダに出ます。
ミケはそれを狙ってすかさず、しかしゆっくりと、赤ちゃんの隣に寄り添いました。
眠っている赤ちゃんはとってもあたたかなのです。
ミケは改めて欠伸をしました。

「ふにゃ~」

赤ちゃんはスヤスヤと眠っています。
ポカポカのお天気で、あたたかな布団の中。
やることは決まっています。

「あら。」

両手に洗濯物をかかえたお母さんも笑顔です。
並んで眠っている姿は、まるで兄弟のよう。



< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop