Strong in the wind!
「……お前、どんくらいこういう本持ってんの?」


充さんは戦利品の一冊に目を落としたまま、私に聞いてきた。


「原作コミックスも合わせたら、全部で200冊ぐらいあります。引っ越す時に半分は処分したんですけど」

「これのコミックス持ってんの?読みたくなった」

「あ、棚にあります。コミックス類は右の棚の上三段全部です」


ベッドから立ち上がった充さんは、私に言われた通り本棚の上段を漁りだした。


「……このバレー漫画面白そうだから、全巻借りるわ」


充さんが手にしたのは、最近流行中(勿論腐女子的意味で)の、バレーを主題にした漫画だった。


「充さん、お目が高いですね。それ人気急上昇中ですよ」

「俺は純粋に漫画を読みたいの。余計な設定吹き込むな」


誠に申し訳ございません。




私のベッドに再び寝転がった充さんに、心の中で詫びを入れた。


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