Strong in the wind!
「前髪も少し弄るね」

「……はい」



今の『はい』は、とても冷静には言えなくて、若干震えていたのを自覚した。


だってね!?


さっきまで充さんと色んなコトをしてきた紫野さんがだよ!?その手が、私の前髪を弄ってるんだよ!?これマジで失神ものじゃね!?


うわぁ、想像したら顔が火照ってきたよ!!


「……オイ、紫野が髪の毛触ってるからっていい気になんなよ?」


目敏く私の顔色に気づいた充さんに牽制された。


「充さんは紫野さんに溺愛俺様なんですね。イエッサーメモしました」

「意味分かんねぇよ」

「心配しないで下さい。私はただ、お二人の後ろ5メートルぐらい離れた電柱の影からお二人を見て、ハァハァ言いたいだけですから」

「痴女じゃねーか。おい紫野、コイツの頭、ド金髪にしてやれ。覗いたら一発で分かるように」

「紗凪ちゃんやっていい?」

「駄目です」



だけど、よく考えたら充さんも私のベッドで寛いでるんだよね?


……うがあ!!イケメンのリアルホモが、私のベッドに寝転んでるぅぅ!!

興奮して、私絶対に今日は寝れない。つーか溢れる妄想は今でも止まらねぇ!
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