ボクの瞳に映る一億の友達
酷く風の強い夜だった。
その日、一人の少年が突如行方不明になったのだ。
家出をする様な子ではなく、小さな町は大騒ぎになった。
町の大人達は近隣を捜索したが、少年はようとして見付からず、波にさらわれたのだと言い出す者もいた。
その後
家族の申し出により、捜索は早々に打ち切られた。
誰もが諦め、その存在を忘れ様とする中、一人の少女だけが少年の生存を訴えた。
少年は天使に連れて行かれたのだ。と……。
誰もが笑い
誰も信じる者はいなかった。
あれからどれくらい経つだろう。
町の人々はそんな事などさっぱり忘れる中、今日も一人の少女が町外れの廃墟に足を運ぶ。
ブロンドの髪を揺らし、何かを捜す様に空を見上げた。
空は今日も青くて、どこまでも果てしなく高い。