ボクの瞳に映る一億の友達
「……ママ…」

懐かしい夢をみた。

子供の頃の幸福だった頃の夢…。

最近よくみるこの夢の中で、ボクは何度も繰り返し聞いた。自分の出生について。
子供の純粋で真っ直ぐな疑問に、母はどれ程傷付けられたのだろうか。

「ハァ…」

気が重い…。朝目を覚まし、自室の薄汚い天井を見るたびに、ため息がもれる。
ベッドから身を起こし、シーツのしわをピンとのばす。
クロゼットの中のヨレヨレな服に着替え、姿見の大きな鏡にその姿を映した。

痩せこけた顔…生え放題になっている銀灰色の髪は、昔から大嫌いだった。


「アリアー!いつまで寝てるつもりだっ!!」

「は、はーい!今すぐっ」

一階から父の怒声が響くなか、ボクは慌てて自室を出た。


また、いつもと同じ一日が始まる。


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