あきらめられない夢に
それからは暫くお互いが口を開くことも無く、再びラジオと風の音だけが車内を輝きと陰で彩っていた。
「着いた」
運転席側の窓の外を見ると、公民館らしき建物の前に車は停まったようだ。
こんなところに一体何があるというのだろうか。
慣れた感じで入口から駐車場へと移動し、車を停めて入口に今度は歩いて向かった。
「いつも来ているの?」
あまりにも自然に行動しているため、思わずこんなことを聞いてしまった。
彼女は「うん」と小さく呟き、入口の扉で立ち止まることなくドアを開けて中に入っていった。
公民館らしき建物はやはり公民館で、中に入ると受付の横にあるホワイトボードの前に達筆に書かれた看板が立っていた。
-松坂○○○劇団-
「松坂・・・まるまるまる・・・劇団?」
こう読めばいいのだろうか。僕はとりあえず思い付くままの読み方を口にした。
それとも、○○○という部分に他に何か文字が入るのだろうか。
「あははは、違うよ。
まつさか、さんじゅうまる劇団って読むの」
自分が読んだ読み方がそこまで笑われてしまうと、そう呼んだ自分がとても恥ずかしくなってしまい耳朶が熱くなってきた。
きっと、今の僕の顔は赤くなっているに違いない。
そんな姿を見られたくなくて、僕は彼女から視線を顔ごと逸らした。
「まあ、でも大抵の人が最初はそう読むから気にしなくていいよ」
彼女は僕が読み方を間違えたことが恥ずかしいと思っていることを、お見通しとばかりにフォローを入れてきた。
それでも間違えたことは変わらない事実で、恥ずかしいというこの気持ちも消えることはなかった。
「着いた」
運転席側の窓の外を見ると、公民館らしき建物の前に車は停まったようだ。
こんなところに一体何があるというのだろうか。
慣れた感じで入口から駐車場へと移動し、車を停めて入口に今度は歩いて向かった。
「いつも来ているの?」
あまりにも自然に行動しているため、思わずこんなことを聞いてしまった。
彼女は「うん」と小さく呟き、入口の扉で立ち止まることなくドアを開けて中に入っていった。
公民館らしき建物はやはり公民館で、中に入ると受付の横にあるホワイトボードの前に達筆に書かれた看板が立っていた。
-松坂○○○劇団-
「松坂・・・まるまるまる・・・劇団?」
こう読めばいいのだろうか。僕はとりあえず思い付くままの読み方を口にした。
それとも、○○○という部分に他に何か文字が入るのだろうか。
「あははは、違うよ。
まつさか、さんじゅうまる劇団って読むの」
自分が読んだ読み方がそこまで笑われてしまうと、そう呼んだ自分がとても恥ずかしくなってしまい耳朶が熱くなってきた。
きっと、今の僕の顔は赤くなっているに違いない。
そんな姿を見られたくなくて、僕は彼女から視線を顔ごと逸らした。
「まあ、でも大抵の人が最初はそう読むから気にしなくていいよ」
彼女は僕が読み方を間違えたことが恥ずかしいと思っていることを、お見通しとばかりにフォローを入れてきた。
それでも間違えたことは変わらない事実で、恥ずかしいというこの気持ちも消えることはなかった。