あきらめられない夢に
自動車整備士の勉強を始めて二週間が経とうとしていた。
今まで学習したことがない全くの専門外の分野とあって、自分の思うように進まずに四苦八苦している。
それでも学ぶこと全てが新鮮で、少しずつだがその知識が自分の身になっていくことが実感できる。
「まったく、やってられないよな」
倉庫の前ではドライバーの六人が朝の積み込みを行っていた。
僕の二つ隣の人が発した言葉は、明らかに全員に聞こえるように大きく発せられた。
その愚痴の原因は分かっている。
先週まで積み込みは前日の配送が終わってからやっていたのだが、突然の上からの指示で当日の朝へと変更された。
当然、出勤時間は今までよりも早くなる。
それに加えて新しい積み込みの方法が、僕たちドライバーにとっては非常にやりくい方法になったのだ。
「七時出勤だもんな」
「少しでも多いと、六時半には来ないと心配だしな」
緊張の糸のようなものがぷつりと切れてしまったかのように、それまで何も言わずに積み込みをしていた他の人たちがそれぞれに愚痴を言いだした。
出勤時間、積み込み方法から始まり、この状況と全く関係のないことまで広がりをみせていた。
入ったのが一番遅い僕には何も言える立場ではない。
それは愚痴もそうであり、今の僕たちの雰囲気がよろしくないということもそうだった。
このままではいけないと分かっていても、それを口にすることがどうしてもできなかった。
今まで学習したことがない全くの専門外の分野とあって、自分の思うように進まずに四苦八苦している。
それでも学ぶこと全てが新鮮で、少しずつだがその知識が自分の身になっていくことが実感できる。
「まったく、やってられないよな」
倉庫の前ではドライバーの六人が朝の積み込みを行っていた。
僕の二つ隣の人が発した言葉は、明らかに全員に聞こえるように大きく発せられた。
その愚痴の原因は分かっている。
先週まで積み込みは前日の配送が終わってからやっていたのだが、突然の上からの指示で当日の朝へと変更された。
当然、出勤時間は今までよりも早くなる。
それに加えて新しい積み込みの方法が、僕たちドライバーにとっては非常にやりくい方法になったのだ。
「七時出勤だもんな」
「少しでも多いと、六時半には来ないと心配だしな」
緊張の糸のようなものがぷつりと切れてしまったかのように、それまで何も言わずに積み込みをしていた他の人たちがそれぞれに愚痴を言いだした。
出勤時間、積み込み方法から始まり、この状況と全く関係のないことまで広がりをみせていた。
入ったのが一番遅い僕には何も言える立場ではない。
それは愚痴もそうであり、今の僕たちの雰囲気がよろしくないということもそうだった。
このままではいけないと分かっていても、それを口にすることがどうしてもできなかった。