あきらめられない夢に
「その沢良木さんって、相当怖いのね」


「そりゃ、もう鬼のように怖いよ。

金髪で派手なポニーテールだけど、それがまた威圧感があるんだよ。

でも・・・」


「でも?」


「仕事は早いし、できるし、俺や主任や会社の人たちからの信頼は厚い。

それに外見とは全く違ってすげえしっかりしていて、上手く言えないけどすげえ良い奴なんだ」


沢良木を思い浮かべれば、真っ先に怒鳴ったときの表情を思い出す。



けれども沢良木は仕事に対して真摯で、そして自分の考えをしっかりと持った奴だ。

それ以外にも良い所はたくさんあるが、それらを言葉にすることは難しく、簡単な言葉だが『良い奴』という言葉が一番しっくりくる。


「ふうん。

宮ノ沢くんにそう言って貰えるなんて、沢良木さんが羨ましい」


ふて腐れたような口調で上越が発した言葉に思わず笑ってしまい、そのことに対して二人で大きく笑った。
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