あきらめられない夢に
「積み込み、速くなったよ。
積み込みだけじゃなくて、配達も、事務処理も他の奴らよりも断然速くなった」
初めてだった。
彼女の口から褒められたのは、間接的にも、直接的にもこれが初めてだった。
ずっと待ち望んでいたことが現実となり、それが僕の予想よりも遥かに嬉しいことだった。
「俺、これでもお前のこと見直しているんだぜ。
積み込みがその日の朝になってからしばらく経った日、お前が文句を言っている奴らに堂々と『頑張りましょう』って言ったろ。
俺、素直に『すげえな』って思ったんだよ。
あのとき、俺も我慢していたけど嫌気が差していたんだ。
それなのにお前は・・・」
そこまで言い掛けたところで、店主が満面の笑みで料理を持ってきた。
その一つ一つを丁寧に置き、最後に伝票を置いて「締めのやつは呼んでね」と去っていった。
これ以外にもまだ何か来るというのか。
「ほら、食えよ。マジで美味いから」
こちらに箸を手渡しし、彼女は熱そうに出ている湯気を搔い潜って料理に自分の箸をつけた。
積み込みだけじゃなくて、配達も、事務処理も他の奴らよりも断然速くなった」
初めてだった。
彼女の口から褒められたのは、間接的にも、直接的にもこれが初めてだった。
ずっと待ち望んでいたことが現実となり、それが僕の予想よりも遥かに嬉しいことだった。
「俺、これでもお前のこと見直しているんだぜ。
積み込みがその日の朝になってからしばらく経った日、お前が文句を言っている奴らに堂々と『頑張りましょう』って言ったろ。
俺、素直に『すげえな』って思ったんだよ。
あのとき、俺も我慢していたけど嫌気が差していたんだ。
それなのにお前は・・・」
そこまで言い掛けたところで、店主が満面の笑みで料理を持ってきた。
その一つ一つを丁寧に置き、最後に伝票を置いて「締めのやつは呼んでね」と去っていった。
これ以外にもまだ何か来るというのか。
「ほら、食えよ。マジで美味いから」
こちらに箸を手渡しし、彼女は熱そうに出ている湯気を搔い潜って料理に自分の箸をつけた。