あきらめられない夢に
ゴールデンウィーク真っ只中の土曜日は、久し振りの快晴だった。

ここのところの天気はというと雨は降らないものの、晴れ間も無い曇り空ばかりが続いていた。

なんともすっきりしない天気に、どこかストレスのようなものを感じ始めていたときにこの快晴。

いつもよりも空気が気持ちよく感じ、体もすっきりとしているように思える。

この公園の人々も心なしかいつもよりも笑顔に見え、曇り空にストレスを溜めていたのは僕だけではないのだろう。


「煙草、吸うんだっけ?」


ポケットから徐にライターを取り出しセブンスターに火を点けようとしたところで、彼女は季節が終わろうとしているフリージアから戻ってきた。

ライターをポケットへと戻し、セブンスターを持ったまま片方の手を下げる。


「あれ、つぐみさんの前で吸ったことありませんでした?」


「うーん、見たことがあるような、ないような」


一生懸命思い出している姿に子供っぽい面のつぐみさんが現れ、とても可愛らしかった。

フリージアを見つけて携帯で写真を撮ろうかと悩んでいるときや、撮りにいく姿もそれと同じで可愛かった。
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