あきらめられない夢に
それをちゃんと見届けてから、上越を出来る限り優しく起こそうとした。
意外にもぐずるようなことはせず素直に立ち上がったが、かなり酔っているためか眠っているときとは正反対に気持ち悪そうな表情だった。
「ゆっくりでいいから、一緒に帰ろう」
タクシーを呼ぼうかと考えたが、今の彼女ではタクシーの揺れに耐えられない気がした。
楽になるまで待っていようかとも考えたが、この姿をあまり人には見られたくないだろうし、いつになるか分からないことを店の前で待つのは気が引けた。
「歩けるか?」
問い掛けに対して、彼女は一度だけ頷いて見当違いな方向へと足を一歩踏み出した。
慌てて向きを直し、二人はゆっくりと店を後にした。
街灯を眺め、車道を走る車のライトを目で追い、歩調を合わせて僕たちはゆっくりと歩いていく。
普通に歩いて三十分弱だった道だが、この状態では一時間くらい掛かるかもしれない。
それでも気分転換の散歩のようなものと思えば、それほど苦にもならないとだろう。
そう思っていたが、肩を貸して歩くことが予想以上に疲れるということを初めて知ることになった。
「ちょっと、休憩するぞ」
五十鈴川沿いの道にあるバス停のベンチにゆっくりと座らせ、後ろにある自動販売機で缶コーヒーとペットボトルの水を買った。
ペットボトルのキャップを開け、彼女に飲むように手渡す。
ようやく楽になってきたようで、その表情に笑顔が戻ってきた。
意外にもぐずるようなことはせず素直に立ち上がったが、かなり酔っているためか眠っているときとは正反対に気持ち悪そうな表情だった。
「ゆっくりでいいから、一緒に帰ろう」
タクシーを呼ぼうかと考えたが、今の彼女ではタクシーの揺れに耐えられない気がした。
楽になるまで待っていようかとも考えたが、この姿をあまり人には見られたくないだろうし、いつになるか分からないことを店の前で待つのは気が引けた。
「歩けるか?」
問い掛けに対して、彼女は一度だけ頷いて見当違いな方向へと足を一歩踏み出した。
慌てて向きを直し、二人はゆっくりと店を後にした。
街灯を眺め、車道を走る車のライトを目で追い、歩調を合わせて僕たちはゆっくりと歩いていく。
普通に歩いて三十分弱だった道だが、この状態では一時間くらい掛かるかもしれない。
それでも気分転換の散歩のようなものと思えば、それほど苦にもならないとだろう。
そう思っていたが、肩を貸して歩くことが予想以上に疲れるということを初めて知ることになった。
「ちょっと、休憩するぞ」
五十鈴川沿いの道にあるバス停のベンチにゆっくりと座らせ、後ろにある自動販売機で缶コーヒーとペットボトルの水を買った。
ペットボトルのキャップを開け、彼女に飲むように手渡す。
ようやく楽になってきたようで、その表情に笑顔が戻ってきた。