あきらめられない夢に
引っ越してからというもの、僕とつぐみさんは二人でいる時間が以前よりも格段に増えた。

アパートが自宅よりも松阪寄りにあるということで、僅かかもしれないが移動時間が短縮された。

しかし、例え短縮されなくとも、今の二人の関係を以てすれば必然とも言えるかもしれない。



携帯小説も新作がそこそこ評判よく、PV数も徐々に増えてきている。

それは『読まれる』作品ではなく、紛れもなく自分の『書きたい』作品である。

それがPV数を増やしているという事実は、僕のモチベーションを高くさせてくれた。

これも、すぐ傍で作品を読んでくれる人がいるおかげなのかもしれない。



上越とは同窓会のあと、何度も会っている。

彼女は今までと何も変わらずに接しようとしてくれ、そのおかげで二人は今までと変わらずに笑い合えている。

彼女は本当に強いと思う。

その彼女の強さのおかげで、僕は自分の中にある本当の気持ちに気付くことができたのだ。

本当に感謝しなければいけない。



何はともあれ、涼しさがすぐそこまで迫ってきていて、夏が終わろうとしていた。
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