あきらめられない夢に
彼女と並んで歩きエントランスホールと呼ばれる場所へと移動すると、テーブルのようなところで新聞紙のような紙を広げて真剣に考え出した。
「次は・・・五レースか」
その真剣な表情は今までに見せていなかった表情で、新しい彼女の顔に思わず見入ってしまった。
「あっ、ごめん。
少しだけ待っていてもらっていい?
まくりちゃんの出番まではまだ時間があるから平気だから」
そう言うとまたしても真剣な表情で紙に視線を移して、ぶつぶつと何かを言いながら考え込んでしまった。
流石にそれを一人で待っているのは退屈で、折角来たのだから散策でもしてみたい気持ちがこみ上げてくる。
「ちょっと、色々と見てきますね」
視線は紙のままだったが、右手を上げて合図を送ってきたので聞こえてはいただろう。
しかし、僕の声が耳から脳へと伝わったかどうかはかなり怪しいところだった。
とりあえず外に出てみようと思い、入場ゲートとは反対側の外の明かりが見えるほうへと向かってみることにした。
エントランスホールにいるほとんどの人が、九宝さんと同じように新聞紙のような紙を食い入るようにして見つめては頭を掻いていた。
煙草の匂いや煙り、鉛筆の芯の匂い、独特ともいえるこの雰囲気と匂いはあまり良いものとは思えなかった。
それらを避けるようにして外の明かりがあるほうへと、人目を気にしながら歩いていく。
外に出ると明かりが眩しく、視界を真っ白にしたので目を閉じる。
そして、ゆっくり目を開けた瞬間、僕は目の前に広がる世界に立ち尽くしてしまった。
「次は・・・五レースか」
その真剣な表情は今までに見せていなかった表情で、新しい彼女の顔に思わず見入ってしまった。
「あっ、ごめん。
少しだけ待っていてもらっていい?
まくりちゃんの出番まではまだ時間があるから平気だから」
そう言うとまたしても真剣な表情で紙に視線を移して、ぶつぶつと何かを言いながら考え込んでしまった。
流石にそれを一人で待っているのは退屈で、折角来たのだから散策でもしてみたい気持ちがこみ上げてくる。
「ちょっと、色々と見てきますね」
視線は紙のままだったが、右手を上げて合図を送ってきたので聞こえてはいただろう。
しかし、僕の声が耳から脳へと伝わったかどうかはかなり怪しいところだった。
とりあえず外に出てみようと思い、入場ゲートとは反対側の外の明かりが見えるほうへと向かってみることにした。
エントランスホールにいるほとんどの人が、九宝さんと同じように新聞紙のような紙を食い入るようにして見つめては頭を掻いていた。
煙草の匂いや煙り、鉛筆の芯の匂い、独特ともいえるこの雰囲気と匂いはあまり良いものとは思えなかった。
それらを避けるようにして外の明かりがあるほうへと、人目を気にしながら歩いていく。
外に出ると明かりが眩しく、視界を真っ白にしたので目を閉じる。
そして、ゆっくり目を開けた瞬間、僕は目の前に広がる世界に立ち尽くしてしまった。