あきらめられない夢に
二人の沈黙にしびれを切らし、僕は大きく息を吸ってから彼女に背を向けた。
「プロポーズした。
だけど、断られた」
また、空を見上げる。
先ほどと何一つ変わらない空、一体僕に何を訴えかけてくれるのだろう。
星空と同様に、彼女は何も反応せずに黙ったままだった。
「団長さんから、つぐみさんの昔のことを聞かされたよ。
まあ、俺も本人からある程度は聞いていたんだけど。
つぐみさんが好きという気持ちは変わらないのに、不安だけが大きくなっていく。
つぐみさんを幸せにしたいという気持ちが強くなるのに、迷いばかりが先走っちまう・・・
こんな俺が彼女を支えられるのかな」
言い終わったのとほぼ同時に、右肩を掴まれて思い切り後ろに引っ張られる。
その勢いで顔が振り返ると、掴まれている手は松葉杖から離した上越の左手だということが分かった。
そして、次の瞬間には右手が思い切り僕の左頬を振り抜いた。
『ぱちーん』という綺麗な音が駐車場に響き渡り、松葉杖を両方とも離してしまい、転びそうになった上越を必死で抱え込んだ。
「プロポーズした。
だけど、断られた」
また、空を見上げる。
先ほどと何一つ変わらない空、一体僕に何を訴えかけてくれるのだろう。
星空と同様に、彼女は何も反応せずに黙ったままだった。
「団長さんから、つぐみさんの昔のことを聞かされたよ。
まあ、俺も本人からある程度は聞いていたんだけど。
つぐみさんが好きという気持ちは変わらないのに、不安だけが大きくなっていく。
つぐみさんを幸せにしたいという気持ちが強くなるのに、迷いばかりが先走っちまう・・・
こんな俺が彼女を支えられるのかな」
言い終わったのとほぼ同時に、右肩を掴まれて思い切り後ろに引っ張られる。
その勢いで顔が振り返ると、掴まれている手は松葉杖から離した上越の左手だということが分かった。
そして、次の瞬間には右手が思い切り僕の左頬を振り抜いた。
『ぱちーん』という綺麗な音が駐車場に響き渡り、松葉杖を両方とも離してしまい、転びそうになった上越を必死で抱え込んだ。