あきらめられない夢に
久しぶりに携帯小説のサイトを開く。
大学に通っていたときは、毎日のように小説を執筆し更新していた。
それが卒業をしてからは回数が減り、ここ一年くらいは仕事に追われて小説の執筆はおろかサイトを開くことすらなかった。
トップページを見ても一年前と変わったのか変わっていないのか分からず、そんな状態だからログインのページになっても自分のIDとパスワードを覚えているはずがなかった。
サイトを閉じようか悩んだが、もしかしたらと思いキーボードを叩く。
ログインID:miyasawa
パスワード:●●●●
IDは作家名が『宮沢ニノ』なので『miyasawa』、パスワードは自分の誕生日。
この一度だけ試してみて駄目だったら素直にサイトを閉じようと思い、半ば諦めのような覚悟でログインボタンを押してみる。
次の瞬間、長いこと眠っていた宮沢ニノの作家メニューが久々に僕の目の前に広がってきた。
大学二年に登録してから執筆した作品は五作。
四作が完結していて、完結していない作品が執筆途中だったのだろう。
その作品の表紙を見てみると、最終更新日が昨年の八月になっていた。
昨年の夏から仕事が忙しくなり、毎日のようにアパートと会社、営業先を歩きまわるだけになっていった。
アパートにはただ単に寝るためだけに帰り、食事もろくに摂ることができずに機械のように過ごしていた一年。
今思えば、解雇されたのは自分にとって良かったのかもしれない。
付き合っていた彼女との交際も、向こうが切り出してくれるまで何もせず、僕は自然に何も無かったことにしようとしてしまった。
大学に通っていたときは、毎日のように小説を執筆し更新していた。
それが卒業をしてからは回数が減り、ここ一年くらいは仕事に追われて小説の執筆はおろかサイトを開くことすらなかった。
トップページを見ても一年前と変わったのか変わっていないのか分からず、そんな状態だからログインのページになっても自分のIDとパスワードを覚えているはずがなかった。
サイトを閉じようか悩んだが、もしかしたらと思いキーボードを叩く。
ログインID:miyasawa
パスワード:●●●●
IDは作家名が『宮沢ニノ』なので『miyasawa』、パスワードは自分の誕生日。
この一度だけ試してみて駄目だったら素直にサイトを閉じようと思い、半ば諦めのような覚悟でログインボタンを押してみる。
次の瞬間、長いこと眠っていた宮沢ニノの作家メニューが久々に僕の目の前に広がってきた。
大学二年に登録してから執筆した作品は五作。
四作が完結していて、完結していない作品が執筆途中だったのだろう。
その作品の表紙を見てみると、最終更新日が昨年の八月になっていた。
昨年の夏から仕事が忙しくなり、毎日のようにアパートと会社、営業先を歩きまわるだけになっていった。
アパートにはただ単に寝るためだけに帰り、食事もろくに摂ることができずに機械のように過ごしていた一年。
今思えば、解雇されたのは自分にとって良かったのかもしれない。
付き合っていた彼女との交際も、向こうが切り出してくれるまで何もせず、僕は自然に何も無かったことにしようとしてしまった。