あきらめられない夢に
結局、僕にはこの作品だけだったのだ。



他の作品を執筆し更新してもPV数はそこまで変動することはなく、作品が完結したときに大きな変動を見せるだけだった。

オススメ作品に掲載されたことを身に染みてしまった僕には、それもほんの僅かな変動にしか思えなくなってしまっていた。

それでも三作目までは自分の書きたいストーリーを作品にし、自分では納得のできる作品だった。



四作目・・・



僕はこの作品に限っていえば、自分の書きたいストーリーを書いていない。

PV数を上げたいがために、自分の作風を変えて『書きたい』ではなく『読まれる』作品を書こうとしたのだ。

そこまでしてもPV数は上がることはなく、自分の『書きたい』を見失ってしまった僕は自信を持てることができなくなってしまった。

そして、僕は小説家を目指す道を自ら下りてしまったのだ。


「才能が無いんだよ」


そう割り切れるようになったのは四作目が完結した三ヶ月後だった。
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