あきらめられない夢に
「以前にも話したけど、私は宮沢ニノ、あなたの書く作品が好きだった。

あなたの創り出す世界に、私も一緒に入り込んでいた。

私にとってはそれが凄く自然なことで、あなたが更新するたびに私はそこで生きているようだった」


自分の作品にそこまで入れ込んでくれていた人がいた。

その事実が嬉しくもあり、小説から離れていたこの一年間を、自分を愚かにさえ思う。


「ごめんなさい。

そこまで僕の作品を思ってくれていたのに、それなのに僕は・・・」


仕事が忙しくても少しずつでも更新すること、世界を広げることはできただろうに。

携帯小説のなかといえど、僕は一人の人の居場所を一つ無くしてしまっていた。


「そんなに暗くならないで。

プロの作家でも突然書けなくなることはあるんだし、ましてや携帯小説なんだから」


「・・・」


「ねっ」


「ありがとうございます。

つぐみさんの今の言葉と、読んだのは今日だったけどファンレター、凄く嬉しいです」


僕がどうのこうというより、目の前にいる彼女が悲しそうになるのが嫌だった。

そんな思いが、自然と今の言葉を口から出させた。
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