あきらめられない夢に
案内された席は窓際の一番端の席で、賑やかな店内のなかでは一番落ち着いている席でもある気がした。


「端の席が空いているなんて、ラッキーだったね」


嬉しそうにほんの少し舌を出す彼女に僕も笑顔で応え、荷物を隣に置いて席に着いた。

彼女はメニューを取り、僕に見やすい向きにしてテーブルに置いた。


「お酒は好き?」


彼女はドリンクメニューのビールを指差しながら、こちらに聞いてきた。

酒はワイン以外なら何でも好きだが、さすがに初めての出勤日の前日に酒を飲むのは何だかばつが悪いような気がして烏龍茶を注文することにした。

そして、彼女も運転が控えているのでやはり同じく烏龍茶を注文した。



烏龍茶がくるまでのあいだメニューを二人で覗いて、お互いが食べたい料理を二品ずつ選び少しずつ分け合う約束をした。

そして、烏龍茶が届き店員に注文したところ一品が被っていて、僕は慌ててメニューを見直して注文することになった。
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