さよならをください
さてさて、今回はあとがきが三ページ目にいってしまいましたが、最後に和歌について触れたいと思います。



この作品でアナログにスポットライトを当てたとき、大変失礼ですが真っ先に和歌が浮かんでしまったのです。

そして、僕が中学のときに一目惚れした歌は絶対に入れようと思いました。


忘れじの ゆく末(すゑ)までは かたければ
 今日(けふ)を限りの 命ともがな


僕の中学時代の先生はこう現代訳をしてくれました。


あなたはわたしの事を忘れないと約束をしてくれましたが、
いつまでもその約束を守ってくれることは難しいことです
それならばいっそ、まだあなたに思われている今日限りの命であってほしい


それをこの作品では僕なりに、カナタなりに


あなたはわたしの事を忘れないと約束をしてくれましたが、
いつかはその約束を忘れなければいけないときがきます
それならばいっそ、今日限りはあなたに思われている幸せなままの時間であってほしい


と、かなり強引な現代訳にして、ユミナ先生に伝えてみました(笑)

強引過ぎて、申し訳ないです。

この歌は儀同三司母(ぎどうさんしのはは)の歌ですが、実はもう一つの歌と悩みました。

それは、藤原義孝の


 君がため 惜(を)しからざりし 命さへ
  長くもがなと 思ひぬるかな


歌です。


あなたに逢うためには惜しくないと思っていた命も、
こうして逢ってしまうと、
長くあってほしいと思ってしまうものだ


悩みましたが、中学時代の僕の気持ちを優先しました。





まだまだ書きたいことがあるのですが、上手く纏まる自信がないので、思いついたときに作品設定・資料集にでも記載していきたいと思います。

本編はもちろん、こんなあとがきまでも最後まで読んで頂いた読者様、本当にありがとうございました。

アドバイスなどありましたら、感想ノートに一言でも書いて頂けたら嬉しく思います。



それでは、また別の作品でお会いしましょう。



2013.9.22
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