愛してるよ、何よりも
「てかさ、この間の合コンの時何ですぐ帰っちゃったの?」
「えっ…いや、何となく…」
真っ直ぐ私を見つめる麗斗の視線に耐えられなくて、私は俯いた。
俯いた私の目に映るのは光沢のある茶色をした麗斗の革靴。
麗斗は私と話して何がしたいんだろう。
あんなに酷く私を裏切っといて、何故平然と笑って話ができるんだろう。
「美桜、これから時間ある?」
「えっ…?」
「久しぶりに会えたし、美桜とゆっくり話したいんだけど。俺今営業回りで少しなら時間あるからさ、お茶でも飲まない?」
『お茶でも飲まない?』って。
麗斗が何を考えているのか、私にはさっぱり分からない。
何でそんなに笑ってられるの?
どうして私をお茶に誘えるの?
私は麗斗と笑ってお茶何て飲める余裕ない。