愛してるよ、何よりも
「美桜…?」
何も反応しない私を不思議に思ったのか、麗斗は私の顔を覗きこもうと屈んだ。
美桜って名前を彼に呼ばれるだけで、胸が苦しい。
麗斗の声を聞くだけで、私は心臓がぎゅっと鷲掴みされたように痛くなった。
「や…っ」
「えっ?」
「いや!!」
麗斗の手が私の顔に伸びてきたとき、私は勢いよく叫んだ。
駅を行き交う少数の人たちが私の声で振り返る。
ぱっと顔を上げると、麗斗は驚いた表情を浮かべていた。
「触ら…ないで…」
「っ…」
「もう、私に…関わらないで!」
感情が涙に代わって溢れ出た。
瞬きをするとポロポロと次から次へと涙が零れる。