愛してるよ、何よりも
「みっ…」
何か言いかけた麗斗の言葉も聞かないで、私はその場から走り出した。
これ以上麗斗と話していたら、自分が壊れてしまいそうな気がして。
泣きながら走る女は人目につく。すれ違う人にジロジロ見られ注目を浴びた。
でも今の私にはそんなこと気にならなかった。
麗斗は私にしたことなんて覚えていないんだ。
覚えていたら普通に話しかけられるわけないもんね。
私だけ。私だけがまだあの時で時間が止まっている。
私だけ……。
私の目に麗斗は仕事もプライベートも充実してるように映った。
この前の合コンが初めてという風には見えなかった。きっと普段から合コンとか飲み会とか参加してるんだ。
私と会っても顔色一つ変えなかった。さっきなんて笑ってたし。
はぁー…。前を向けてないのは私だけだ。
私だけ……。