愛してるよ、何よりも

駅から離れたところで息が苦しくなり、私はゆっくり足を止めた。


はぁ、はぁ、はぁ。


乱れた息を整えようとして、私は舗装されたコンクリートの歩道でしゃがみ込んだ。


ドキドキと胸が震えて、心臓が痛い。


急に走ったから上手く息が出来ないせいか、それとも麗斗に会ったせいなのか。


この胸の痛みはどっちなんだろう。


「ふっ…うっ」


よく分からないけど、涙が溢れた。


痛い…。苦しい…。辛い…。


私がずっと抱えていたものはいったい何だったんだろう。


この10年間、私が必死で忘れて必死で築き上げてきたものって何だったんだろう。


再会した麗斗は、私が一生懸命になって築いたものを一瞬で崩壊した。


「昨日…あんなに泣いたのに…」


いい大人が外で泣くなんて、例え知らない人でも誰かに見られたら恥ずかしい。


いい加減止めなくちゃ。


掌で溢れる涙を拭って、私は立ち上がった。


急に立ち上がったせいで、少し眩暈がした。


クラクラする頭を無理やり働かせて、私は再び歩き出した。


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