愛してるよ、何よりも

ガラガラ。


教室のドアを開けると一気に皆の視線が私に集まった。


教室の雰囲気が昨日と少し違うように感じた。


私、今日何か可笑しい…?でもさっき自分の姿を確認して、変なところはどこもなかった。


まぁいいか。私は特に気に留めることもなく自分の席に鞄を下ろした。


そして、昨日一緒にお弁当を食べてた子たちのところに行き、いつものように話しかけた。


「おはよう」


「…」


普通の声音で言ったのに、皆私の方を見ようともしない。


私の存在に気付いていないようだった。


変だな…。聞こえなかったのかな?


さっきより少し大きい声で「おはよう」と私は言った。


今度はちゃんと聞こえたはず。


しかし、皆の反応は同じだった。


私に目も向けず、皆口を閉ざしていた。


これって…まさか…。


まさか、違うよね。


自分の脳内に浮かぶ文字を軽く頭を振って払拭する。


こんなことよくあることだよ。第一理由がない。


中学の時も、友達と些細なすれ違いをしてこうなることがあった。


だから、きっとそうだろうと思っていた。


相手の気分が良くなかったくらいにしか思っていなかった。


いや、私はそう思いたかったんだ。

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