愛してるよ、何よりも

懸命に否定してきた言葉が段々色づいて現実になっていく。


何が悪かったのか、今ならすぐにわかるのに、あの時は目の前の衝撃が大きすぎてよく理解できなかった。


昨日まで普通に笑って話していた。


私もあの子たちの輪の中にいた。


移動教室になれば必ず誰かに声をかけられて、一緒に移動した。


お昼になれば友達同士で机をくっつけてお弁当を食べた。


授業中、先生にバレないように意味もない会話をメールで送りあったりした。


中学生よりも高校生の方が楽しいって、勝手に学園ドラマのような学生生活を思い描いていた。


何でも言い合えるような友達が出来て、くだらない話をして盛り上がったり。


部活は何に入ろうか考えている途中だった。


文化祭も体育祭も楽しみだった。これから起きる行事全てが楽しみで仕方なかった。


人生の中で忘れられない高校生活になるはずだった。


それなのに…。


これから私に待ち受けていたのは地獄の日々だった。


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