愛してるよ、何よりも
そして私たちは再び唇を重ねた。
さっきとは違う、深くて熱い大人のキスだった。
唇が離れるとお互い照れくさくて、お互いの目を見れなかった。
彼といると私はとても幸せな気持ちになった。
例えクラスの皆が私と口をきいてくれなかったとしても、何があっても毎日学校に来るのが楽しかった。
麗斗がいたから。麗斗に会えるから。
麗斗が私のそばで笑っていてくれればなんでも良かった。
『美桜』って私の名前を呼んで微笑んでくれれば、どんなに辛いことも一瞬で忘れてしまうことが出来た。
『好きだよ』って抱きしめてくれれば、胸の痛みも感じない程幸せになれた。
日にちを重ねるごとに彼に対する愛情は増すばかりだった。
でも……。
それは一方的でしかなかったんだ。
私だけが麗斗を好きだった。
麗斗は最初から私を見てくれていたわけじゃなかった。
麗斗が私と付き合ってくれたのには、ある理由があった。
その理由を知ってしまった時、私の世界は真っ暗な闇に染まっていった。