愛してるよ、何よりも

「結局、麗斗が卒業するまで続いたんだっけ…」


熱い湯船の中、過去のことを思い出して、キューっと胸が痛くなった。


辛い辛い、私の過去。


時が経った今でも、全て鮮明に思い出せるほど、15の私には衝撃的なことだった。


ただ私は純粋に恋をしていただけなのに……。


麗斗は覚えてないのかな?ゲームのこと。


「覚えていたら、普通に話しかけてこないか…」


小さく呟いた私の言葉は、湯船から立ち込めるの湯気の中に溶け込んでいった。


あれから、恋愛はしていない。


誰に告白されても、相手のことを疑ってしまう。


相手は何も悪くないのに、どうしても疑いの目で見てしまう。


友達も殆どいない。


夢子は仕事仲間で、プライベートの付き合いもあまりないから友達とは少し違う。


中学の時の友達もそれほど仲良かったわけでもないから、高校生になると徐々に疎遠になっていった。


大学生になっても、人とコミュニケーションの取り方が分からなくて、心から信頼できる友達はできなかった。


挨拶を交わしたり、その場で何となく当たり障りのない会話をする程度の関係しか築けなかった。










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