愛してるよ、何よりも

もう25歳になったというのに、私は麗斗以外付き合ったと呼べる人はいない。


会社の同僚が結婚したり、彼氏が出来たという話を聞くと、もうそんな年齢になったんだなと実感する。


麗斗とのことがまるで、ついこの前の出来事のように私は思ってるけど、時間は確実に進んでいる。


麗斗はきっと、高校を卒業してからもモテたんだろうな……。


大学生になって、社会人になって、その時その時で楽しい時間を彼はきっと過ごしてきたはずだ。


彼の時間はちゃんと動いている。


私とは、違う……。


「はぁ…」


もう忘れよう…。


思い出してしまったなら、もう一度忘れる努力をしよう。


過去のことで涙を流すのは、今日で最後にしよう。


私は麗斗のことが大好きだった。ちゃんとした恋心だった。


彼を見ればドキドキして、寝ても覚めても麗斗のことしか頭になかった。


その気持ちだけしっかり覚えとこう。


私だって、恋が出来たんだ。あの時の私の気持ちに偽りはなかった。


その気持ちだけ大切に記憶の中の思い出にしまっておこう。


それ以外は、もう……。



思い出さない。


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