愛してるよ、何よりも
『美桜…?』
『……』
嫌だ。もう二度と関わることはないと思っていたのに。
彼と会って会社を休むほど、辛くなったのに。
こんなの、嫌だ……。
『あれ?美桜?聞いてる?』
『う…ん、何?』
とりあえず、落ち着こう。
私は大きく息を吐いて、呼吸を整えた。
『夢子ちゃんから言われたとおもうけど、今俺と俺の同僚と夢子ちゃんで飲んでるんだ』
鼓動が早くなって、呼吸が苦しい。
彼の声を聞いただけで、身体が反応して震える。
『風邪、治ったなら一緒に飲まない?』
やっぱり私には分からないよ。
あなたが私と普通に話せる理由が。
それとも私とのことなんてもう覚えてない?
『……』
自分でも驚くほど何の言葉も出てこない。
頭の中は真っ白だった。