愛してるよ、何よりも
「なぁ…?」
静寂を裂くように麗斗が話し始めた。
「ん…?」
視線を隣に座る麗斗に向ける。
改めて近くで見た彼の顔はやはり綺麗だった。
「さっき、何で急に飛び出していったの?」
「…」
思わず黙ってしまう。
「なぁ…?何で?」
「それは…」
謝りたくなかったから。
たったこれだけの言葉なのに、なかなか声になって外に出てくれない。
「美桜って昔からそういうとこあるよな」
「えっ…?」
麗斗の顔は真剣そのもの。
途端に胸がざわつき始める。
「何か聞くと黙るっていうかさ。高校の時もさっきもそうじゃん?言いたいことあるなら言えばいいのに、言わなくても美桜の気持ち分かる奴なんていないからな?夢子ちゃんも美桜が急に出て行くからかなり戸惑ってたぞ」
今…何て言った…?
言いたいことあるなら言えばいい…?
それに何で夢子が出てくるの…?
「それって…」
更に彼は追い打ちをかけた。
「そうやって、周りに迷惑かけるの美桜の悪い癖だよな」
悪い癖……?