愛してるよ、何よりも
麗斗にとって深い意味はないのかもしれない。
さっきの居酒屋での出来事と同じなのかもしれない。
でも、今の言葉は許せなかった。
「麗斗に何が分かるっていうの?私の何を知ってるのよ」
全てを知ってるかのように言われるのが一番悔しかった。
麗斗は何も知らない。
私があの時受けたいじめも麗斗と別れた本当の理由も何もかも知らない。
それなのに、麗斗にそんなこと言われたくない。
麗斗の顔をぎっと睨みつける。
「何も知らないくせに勝手なことばかり言わないでよ…!!」
自分でも驚くくらい低くて、割れるような叫び声だった。
泣きたくないのに、涙が零れる。
震える唇をぎゅっと噛む。
「麗斗と付き合ったせいで私がいじめられてたことも、麗斗が卒業するまでそのいじめがずっと続いたことも、何も知らないでしょ?」
言葉にしただけで、眩暈がした。
「クラス中の人に無視されて、つい昨日まで友達だった子達に悪口言われて、呼び出されて打たれたことだってあったことも麗斗は何も知らないじゃん!」
ずっと抱えていたものが一気に溢れ出して止められなかった。