愛してるよ、何よりも
「楽しみだった。どんな高校生活になるんだろう?ってずっと楽しみにしてた。でも、そんな思いは一瞬でなくなった!」
私の大きな声が麗斗の部屋中に響き渡る。
「でも、それでもいいって思った。麗斗が傍にいてくれれば私はそれだけで毎日幸せな気持ちになれたから」
本当は、毎日毎日続く嫌がらせはすごく辛かった。
でも例え誰に無視されても、麗斗だけは私の話を聞いてくれてたから幸せだった。
「でも…。私と付き合ったのはゲームに負けたからなんでしょ…?」
「……!」
麗斗の目が再び大きく見開かれる。
「何で…それ…」
思ったより麗斗は驚いてた。
「言うつもりなかったの…ずっと。だって、こんなこと言われても困るでしょ?急に高校生の時の話持ち出されて、今更何なの?って私だったら思うもん…」
もう10年も前のこと。
今から比べればずっと子供だった、高校生の時の話。
それを今更言ったからってどうなる話でもない。
そんなこと分かってる。
「でも、忘れられないの…。みんなが私を蔑むようにみる目も、話しかけても無視されたことも、全部!忘れられないの…」
胸がズキズキ痛む。
苦しくて息をするのもやっとだ。