ロックンロールが、鳴っている

車で

俺は、古いライトバンの助手席にCDラジカセを紐やガムテープを使い見た目は悪いが、なんとか固定する事が出来た｡




この古いライトバンには、ラジオしか付いてなくCDが、聞けない為の苦心だった。




助手席の下には箱に入れてCDが、三十枚ほど入れてある。



長いドライブになるだろう。



ライトバンの後ろの席や荷物を置くスペースには衣服や他のCD生活道具等俺の持ち物全てが積まれている。



前に乗っていたスカイラインは、取り上げられていたので何とか手に入れた古いライトバンが、俺の移動の手段だった。



自分自身も居た親父の会社は潰れて何もかも失ったかも知れないが、このライトバンの中の物は残ったのだから幸運だと思うしかない。



これから、俺は一人の作業員としてトンネル工事に参加する為に九州から富山県まで走る。



不安がない訳ではなかった。



しかし、違う会社が、俺を必要としてくれたのだし俺自身も作業員としてやって行く自信はあった。