ロックンロールが、鳴っている
それに、俺はまだ三十を少し超えたくらいの年齢なのだ。
まだまだ若いし体力もあった。
だが、本当に久しぶりにフリーで入る作業員なのだ。
不安がないとは、言えないし何より今回の件で心も身体も参っていた。
体力に自信はあったが、今回の色々な心的プレッシャーからか随分痩せてしまっていたし心の面でも沢山の傷を背負っていた。
俺は、CDラジカセにCDを入れてボリュームをあげた。
車のエンジンをかけてしばらく吹かす。
車をゆっくり車庫から出す。
この家には、二度と戻らないだろう。
この家は、競売にかけられて誰かの手に渡るのだ。
もしかすると、この土地にも戻らないかも知れない。
俺は、転校が多くて故郷と言う物を知らないがこの土地が、一番長く住んだのだから故郷なのかも知れない。
この先はどうなっていくのか分からない。