ある学校でそれは突然
「俺達は最初から最後まで不幸なんだな。」
本当に…
皆訳あり…
心に傷を作って、それでも今こうして自分自身を守っている。
「誰も私を愛してくれなかった…」
加代子は私達に背を向けていた。
その肩は静かに揺れていた。
「施設に居ても決して優しくされたことなんてない。私より小さな子を面倒見て暮らしてた…学校だけが私の楽しみだった…」
加代子は施設育ちだった。
しっかりしていていつも的確にアドバイスをくれるお姉さんみたいな存在だ。
「それが何?バトルロワイヤルですって?撃たれて刺されて臓器取られて捨てられるなんてね…」
「加代子…辞めなよ…私だって加代子と一緒だよ…」
「…ごめんなさい。」
「無期限かあ…」
そう。このゲームは無期限だ。
何年経とうが一人になるまで続く。
多分、私達がクラスメートを殺さなくても岡部によって殺されるだろう。
「じゃ…俺行くわ。迷惑かけて悪かったな。この恩は必ず帰す」
佐々木が立ち上がった。
「そんな…迷惑じゃないよ」
奈美が制するが佐々木は手を振って理科室を出ていった。