初恋 ~友達から恋人へ~
「じゃーね。」
彼女が言いながら私の方へ歩き出した
彼も彼女を追うように振り返った
その時目が合ってしまった
見たくなかった光景
彼の手には2枚の映画のチケット
彼女と行くんだ
視線を逸らしたまま
彼の横を通り過ぎた
「・・・ぁ」
彼が何か言いたそうだったけど
無視して歩き出した
廊下を曲がり階段を駆け下りた
靴箱で待つ優子は私の異変に気付いていた
私は知らなかった
彼が私を追いかけて来ていたなんて
優子の元へ走り
急いで帰った
彼が来る前に帰らなきゃ!
その一身だった