猫と過ごした一週間
『ちーちゃん』
その夜も夢にショータくんが現れた。
『ちーちゃん、猫を飼ってるの?』
「うん…拾ったの。
でもね、きっと誰かの飼い猫だと思うんだ…」
『どうしてそう思うの?』
「だって凄ーく綺麗な猫ちゃんなんだよ。
絶対に野良なんかじゃない。大事に大事に育てられたに決まってる」
『ふーん、そうなんだ。
で、名前は何ていうの?』
名前?
それは・・・付けてない。
「名前はね、付けてないの。
本当の持ち主が現れたら混乱するでしょ?
だからね、ずっと“猫ちゃん”って呼んでる」
『“猫ちゃん”・・・ねぇ。
でも、きっとその猫はお利口さんだから混乱なんてしないと思うよ?
だから名前を付けてあげたら?』
お利口さん、か。
確かにそうかも。
空気読んでるし、お行儀だっていい。
『その猫・・・オス?』
「うん、男の子だよ。すっごいイケメン(笑)」
『へぇ~。 じゃぁ“ショータ”にしなよ。
俺とおんなじ名前』
「ショータ??
そうだね、ショータくんみたいにイケメンだしね!」