猫と過ごした一週間
翌日は仕方なく会社に行った。

重苦しい私の雰囲気に、声を掛ける者は誰もいなかった。
誰とも話したくない気分だったので、ある意味それはラッキーだった。

ショータは実家。
ショータは実家。

念仏でも唱えるように、心の中で言い聞かせた。



ショータとの想い出が詰まったあの部屋に一人帰るのは苦しかった。
だから、人の仕事まで抱え込んで残業ばかりした。


会社と家の往復。
以前と同じ。


ただ、この虚しさは何なんだろう。
いつか忘れる事は出来るんだろうか。


ショータがいなくなって、夢にショータくんが現れる事もなくなった。


私は一人だった。
ひとりぼっち。

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