私の彼氏は中国人留学生
「今だけだよ、お互いに落ち込んで未練があるのも。

一時の感情だから、きっとすぐに忘れる」


「本当にそう思ってるのか?」



思ってるわけ、ない。
すぐに忘れるはず、忘れなきゃいけない。

いくらそう自分に言い聞かせたとしても、だめ。

自分の心にだけは嘘をつけない。



「本当にそう思ってるかどうかは関係ないの。
そうしなきゃいけないの」



感情を押し殺して淡々と告げてから、カートを押して別の棚へと移動する私の後をケンちゃんもついてくる。



「親が良く思ってないから?
そんなの関係あるか?

二人が本気なら、暁明の親もそのうち諦めるんじゃないの」



そんなに甘くはないよ、ケンちゃん。
ケンちゃんも暁明のお母さんと話してみたら分かると思うけど。

終始冷静ではあったけど、絶対に考えを押し通そうとするあの独特な雰囲気。


今時、親の反対で好きな人と一緒にいれないなんて、ひと昔前のドラマですかって感じだし、時代遅れだとも思うよ。

日本人と付き合ってたらね。


もしくは外国人でも、アメリカ人とかフランス人とか、他の国の人だったら良かったかもしれない。
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