私の彼氏は中国人留学生
その日の夢はすごくすごく幸せな夢を見た気がする。

とても穏やかな気持ちで、暁明にぎゅってされて眠る夢。


起きた時に夢だったのがもったいないくらい。

やっぱり夢か......。
誰も隣で寝てないことを確認して、分かってはいたけれど、がっかりする。


でもよくアパートまで帰ってこれたな、私。

どうやって帰ってきたのか記憶にないけど、帰巣本能?


帰ってきた方法は定かではないけど、置き時計を見たら、まだ七時。

今日は授業も午後からだし、メイクを落としてから、もう一眠りしよう。


なんてのんきに洗面台でメイクを落としていると、お風呂場からシャワーを浴びる音がする。

不審者!?
どうしよう、どうしよう。

一人焦っていると、お風呂場から出てきた不審者と目が合った。



「シャワー、借リタヨ」


「なんだ、暁明か。良かっ......」



いや、良くない!
以前付き合ってたとはいえ、今は違うのに、人の家で勝手にシャワーを浴びるのはいかがなものでしょうか。

なんか別れて気まずいとか切なさとか、一気にどこか飛んでいった気がします。

いっそのこと通報していいかな。


相変わらずマイペースな暁明に呆れる。
地べたに横たわってた私が何言っても説得力ないだろうけどさ。


というか昨日のこと夢じゃなかったってこと?
もう何がどうなってるのか......。

まず落ち着こう、一回落ち着こう。



「とりあえず服着ようか」



なんとか自分を落ち着せた結果、ようやく出た言葉はそれだった。
< 187 / 244 >

この作品をシェア

pagetop