私の彼氏は中国人留学生
「暁明が私と一緒にいたいと思ってくれたとしても、親は......」


「あのねぇ、一回で諦めるの?
美月は、絶対に幸せにするって意気込みのある男と、好きだけど......でも......幸せにできるか分からないしってウジウジしてる男と、どっちと結婚したいのよ。

彼が中国人だから諦めたんでしょ。
国籍がどうとか一番気にしてるの、あんたじゃない」



私......?
そう、日本人だから認めてくれないんだ、許してくれないんだって、簡単に引き下がったのは私だ。

暁明は中国人だから、日本人とは考え方違うから、親の意見は絶対だから、って。


実際に熱意を見せても、何度説得しても、認めてくれないかもしれない。やっぱり越えられない壁はあるのかもしれない。


でも。
最初に壁を作っていたのは、私の方だった?

周りにどう思われても、気持ちは変わるものといくら言われても私には暁明しかいないんです。ってはっきり言えなかったのは。

本当は誰よりも私が国籍を気にしていたから?


こうかもしれない。違うかもしれない。
今さら何を言ったって遅いのだけど。
< 226 / 244 >

この作品をシェア

pagetop