私の彼氏は中国人留学生
映画の上映中、私は暗闇の中で号泣していた。

泣いているのは私だけではないようで、周りからも女の人の鼻をすする音が聞こえてくる。


映画の内容は、前半は幸せだった恋人たちが、後半は身分違いのために親に引き裂かれるというコテコテの昔ながらのストーリー。


障害のある恋、親の反対。
ロミオとジュリエットの頃から使い古された手法ではあるけど、定番だけあってやっぱり泣いてしまう。


今時身分違いとか......と思わなくもないけど、魅せ方が上手いのかすっかり登場人物に感情移入してしまっていた。


障害が大きければ大きいほど、恋愛感情が大きくなり、盛り上がるらしい。

逆に言うとロミオとジュリエットは両家の反対がなければ、あっさり気持ちが冷めていた可能性もある、ということを何かの授業で聞いた。


そんなものなのかな......、私は障害がない方がいいと思うんだけど。

だって、もし私がヒロインだったら、好きな人と引き裂かれたら辛すぎる。


そんなことを考えるとよけいに泣けてきて、涙でほとんど画面が見えない状態の私の頭を暁明に撫でられた。
< 48 / 244 >

この作品をシェア

pagetop