私の彼氏は中国人留学生
山道を走らせ、合宿所から少し離れた所にケンちゃんは車を止めた。


朝、山道をバスできた時は気分が悪くなるだけだったのに、夜は星がきれいに見えて、それに夢中になって酔うことも忘れていた。


今住んでいるところも、私の実家も、大都会ではないけど、ほとんど星は見えない。

だから、こんなにたくさんの星を見る機会なんて滅多にない。



「ここでいい?」


「え?うん」



ケンちゃんから声をかけられて返事をすると、運転席のシートを少し後ろに倒して楽な体勢になった。


星はきれいだけど、星見にきたわけじゃないもんね......。


練習中も、運転中も普通に会話してたのに、車を止めた途端に、急に私たちの空気が変わって余計に話しづらい。
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