。。キリサメ。。
「待てー!」
無邪気に転がっていくビー玉を追いかけていく。
けれど、少し坂があるせいかどんどん転がるスピードは上がっていった。
母親は見ていないのか止めようとしない。
「危ない!」
私が声をあげたと同時に颯が男の子に向かって走って行った。
「颯!」
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「おい!男の子がはねられたぞ!救急車!」
救急車‥。
何…が起こったの‥
車の大きなブレーキ音で周りの車も止まった。
だんだんと人が集まってきて、私達の周りを囲う。
「おい、お嬢ちゃん、この子の知り合いかい!?」
一人の男性が私に向かって呼び掛けている。
知り合い?
誰‥と…?
頭が真っ白でよく理解出来ない。
小さな男の子は母親に抱かれている。
男の子は泣いているが無事のようだ。