先天性マイノリティ
「脳内で想像した時点で重犯罪っていう時代が来たらどうする気だ」
「うわ、それ面白い。国民全員思考盗撮社会とか?そしたら俺、世界で一番の凶悪殺人犯になる自信あるから。ゼロジ殺しで死刑になっても、文句言わない」
コウの狂気的な愛情に引き込まれたら、男女間のロマンティックなんて容易く擦り抜けてしまう。
言葉に表せない精神的なエロティックは、酷く官能的だ。
背筋を走る電流にも似た衝動と興奮は肉体的悦楽を忽ち越えてしまう。
吐き出す行為に昇り詰めるセックスよりもずっと上までイける。
ぬめったアメーバのように肌に付着して離れない快感。
…これ程までに求めてやまないのに、もうお前はいない。
目覚めると、現実だけがある。